◆境界って何?
大きくは事物や領域などを分ける境目のことですが。土地における境界とは自分の土地と隣 地さんの土地との境目を意味します。ブロック塀や擁壁が境界線の場合もありますが、必 ずしも同一の境界線とは限りません。田畑や山林など目印が何もなく境界が曖昧な事もあ ります。
境界の別の言い方として、筆界と所有権界があります。
【筆界】 「公法上の境界」と呼ばれています。「表題登記がある一筆の土地(以下単に「※一筆の土 地 」という)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ)との 間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点 及びこれらを結ぶ直線をいう」 (不動産登記法第123条第1号)
※一筆の由来としまして豊臣秀吉が天正10年(1582年)以来行った太閤検地とそれに 基づく土地公簿(検地帳)の編成の際に、田畑の所在、面積、等級(品位)、生産高( 石高)及び所持者名を筆で一行に書き下したことから呼ばれるようになったと言われて います。
この筆界とは不動のものであって、明治の地租改正以来ずっと継承しているものです。 要するに個人さん同士で勝手に相談して変更できない境界線です。現地に実際に線がある わけではないので筆界は法務局に備え付けされてある「地図・公図・地積測量図」等を 手がかりに検証していくことになります。
「所有権界」 「私法上の境界」と呼ばれています。所有権に基づき、隣接地当事者間で合意された境界 線です。民法の概念の範囲内で私的自治の原則に基づき、当事者が自由に決定し、処分で きるものであり、隣接する土地所有者同士が話合いによって私法上の境界を変更すること ができます。
元来、筆界と所有権界とは一致するものですが、諸々の理由により合致しないことかあり ます。
1. そもそもの不正確性による「地図・公図・地積測量図」の訂正をしなかったため。
2. 親子・親族など口約束ですませてしまったため、ブロックを境界として設定したが、 分筆登記をしなかったため公的書類・図面に筆界は存在しないが所有権界は存在する 状況。
3. 記憶の忘却、記憶の差し替え等、時間の経過によるもの。
4. 土地所有者の移り変わりにより、過去の経緯や事情がわからないまま紛争に突然巻き 込まれるケース。
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当社は、法務局図面・官公庁資料等を精査検証し、迅速・正確な現地測量を実施いたします。そのうえで必要に応じて当該利害関係人様に現地立会をお頼いして、貴重な意見を聴聞いたします。申請者様、陳地人様、関係各人様ともご理解・納得していただけるような仕事を完遂できるよう取り組んでいきたいと考えています。